第4回目のゲストは、リスボンバザーのマスコット「神代姉妹」でおなじみ、ポルトガルの工芸職人藤堂久遠さんにお越しいただきました。
藤堂さんは、前回のランキング調査ではたった二人しか存在しなかった投資総額10Gプレイヤーのお一人ですが、その資金源のメインは、藤堂さん自ら生産された工芸製品のバザーによるものです。私の知る限り、交易ではなく生産品の対人売買によって投資資金を稼いでおられる方は、Notosに数多いる投資家の中でも藤堂さんだけです。

ポルトガルの歴史は、ひたすら「忍耐」の歴史でもありました。
黎明期にはイングランドとイスパニアの双方から港を奪われ続け、後にイスパニアと同盟を組みイングランドに対抗することになっても、英国主力投資家の攻撃をひたすら受け続けたのはポルトガルです。

大物投資家の引退が続いたこともあり、一時期は西アフリカの全ての港ばかりか東アフリカの港まで英国に奪われ、国内の士気はどん底まで落ち込み、他国へ人材の流出が危ぶまれました。しかし、ポルトガルの商人達は国を見捨てることなく復興を願い続け、長い長い雌伏の時代の後、現在は国力で首位を争うほどにまで成長し、大海戦では宿敵英国を大差で破る快挙を成し遂げました。

今回のインタビューでは、バザーや工芸生産に対するこだわりからはじまり、今まで戦ってこられた激戦の投資戦秘話、そして、ポルトガルが復興するに至った原動力についてじっくりお話を伺いたいと思います。

 MMOの醍醐味が味わえた、バザー最盛期
フロ : 本日のゲストは、ポルトガルの工芸職人「藤堂久遠」さんにお越しいただきました!本日はよろしくお願いいたします

藤堂 : よろしくお願いしますー

フロ : 藤堂さんといえば、リスボンバザーの名物キャラクター「神代3姉妹」の中の人としてご存知の方も多いと思いますので、まずはこの質問から
藤堂さんはかなり以前から、船首像をはじめとしたさまざまな工芸品をバザーされておられますが、このようにユニークな商売を始められたいきさつについて教えてください。

藤堂 : はい、私の場合、以前やっていたMMOでもバザー中心にプレイしていた経緯がありまして、むしろ、大航海を始めるときに「どの生産をやろう」っていうところからスタートしてるんですよ。大航海シリーズはオフラインの2のころからやっていたので、生産があるのを最初は期待してなかったんですけど。

フロ : なるほど、そういえばクロスゲートというゲームでもかなり有名な商会を率いておられたとか

藤堂 : はいー。XGは私にとって2作目のMMOで、(有)久韻っていうギルドをやってました。生産職人のみで構成した10人〜20人の小さなギルドだったんですけどねw

フロ : やはりもともと、藤堂さんは生産にすんごい向いてる性格をなさっていたのですねw

藤堂 : いやいや、性格なのかなw生産して、売って自分のものを使ってもらうのが好き・・・っていうと、よく聞こえすぎかもしれませんが、単純にバザーが好きなだけなのかもしれません。自分の存在で他人に影響を与えるのがMMOの醍醐味なのではないかと。

フロ : いや、それこそまさにMMOの醍醐味だと思います。最初のころはほんとに対人売買が盛んでしたよね、ロンドンやリスボンなんか、街一帯にバザーが出ていましたし、ロンドンのカベ一面にバザーが並んでいる様子がなつかしいです。

藤堂 : 最初のころはほんとすごかったです。人の密度自体も濃かったですし、リスボンもロンドンバザーに負けてる感じでちょっと悔しかったですwロンドンは、ギルドのあたりから、交易所、広場の壁がびっしりバザーでした。リスボンも、交易所前の木の下がメインストリートで・・・。当時は売るのもしてましたけど、買うのもすごく多かったです。

フロ : 藤堂さんはその頃から生産アイテムを販売されていたのでしょうか?

藤堂 : ええ、たしか初日には工芸覚えて上げ始めてまして、一週間しないうちから舞衣を作って、最初はイルカとかの船首像を確か、20kぐらいからの価格で売ってましたよ。ファフニールやビーナスといった、今のメインの船首像にたどり着くまでが結構試行錯誤でして、船首像の効果すら手探りなんでいろいろ作って売れ行きを調べてました。

フロ : 私も当時は何がどんな効果あるのかさっぱりでw天竜の店売りがまだ存在しない時代だったので、ファフニールは軍人さんがすごくほしがっていたのだけは覚えてます。

藤堂 : ファフニールは作れるようになってもコストがかかるんで、最初はやっぱり「高級品」的な位置づけでした。コペンハーゲンで琥珀買うのがとにかく大変でwストックホルムで稼いでいた軍人さんはすぐ壊れるのでいいから安い船首像を求めてられましたしw

フロ : コペンハーゲンまで行くのも大変ですが、当時は宝石取引スキルなんてものがなかったので、材料の買い込みをするのも相当な労力が必要だったのでしょうね

藤堂 : そうなんですよねー、それこそ1ブーメ10個っていう世界で・・・。

 バザーに対する考え方について
フロ : ちょっと先の話になりますが、ポルトガルで、ぽこたんさんのグループが皆宝石を始めていた時も藤堂さんだけひたすら工芸で稼がれていたようなのですが、宝石全盛期もあまり以前とかわらずバザーメインの生活をされていたのでしょうか?

藤堂 : そうですねー。私は終始、バザーが収入の99%っていう状態のまま来てます。というか、交易苦手なんですよ・・・w

フロ : 大航海時代の交易は、ひたすら反復行動の繰り返しなのですぐ飽きてしまいますよね;;先ほども藤堂さんのバザー拝見させていただきましたが、売れる品も、あまり売れ筋でない品もまんべんなく並べておられて、稼ぎよりも、買いに来てくれる人が満足して帰ってくれるように品を揃えられているように感じました。なにか、これまでずっとバザーを続けてこられた上でのポリシーというのがありましたら教えてください。

藤堂 : そう感じてもらえるのは非常にありがたいです。バザーに関するポリシーはいくつかありまして、これはXGやリネージュやってたときから一貫したことなんですが、バザーっていうのは、できるだけ多品目であるべき、っていう考えなんですよ。

フロ : むむ、なるほど

藤堂 : 売れ筋でも、一度に2個ぐらい買うのが普通のものであれば、とりあえず2個置いておけばよくて、他のスペースには別のものを置いたほうが、売り上げだけで考えてもよくなるわけで。
一日に5個しか売れないアイテムでも、それを8種類並べれば40個売れるわけで、一見売れないものでもいくつかあわせれば十分売れるんですよ。見に来てくれる方の満足と一緒に、売り上げ追求のためにしてるっていう側面もあるんです。

フロ : お客さんもたくさんアイテム扱ってる店には、目当てのものがあるだろうという安心感が湧きますから。

藤堂 : ええ、前していたXGというゲームでも、他の職人が最高ランクばっかり扱っているのを尻目に全ランクそろえるのを意地でやってましたしw一見割りに会わないように見えるかもしれませんが、全然利益は変わってくるんですよ。
多品目扱っていれば、特定の商品が他の方とかぶっても他の商品の売れ行きで商売成り立ちますから。売れ筋のみだと、売れ筋は売ろうとする方も大勢いるので、すぐお客をとられてしまうデメリットもあります。

フロ : さすが、そのあたりは長い間人にものを売ってきただけの裏打ちがありますね。藤堂さんの場合はそれが投資額に現れてるので、やはり稼ぎは相当なものになっておられるだろうと・・・。

 
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